業務日誌#35

「しのご」が日々の業務で気が付いたことを、脈絡なく気ままに書き連ねています。

再び「京大式カード」にもどる

自分もいいかげんな年齢ではあるが、大学生のころ、そして社会人になってからも「梅棹忠夫『知的生産の技術』」を何度も読んだ。そしてPC時代となった2004年9月、京大式カードの方式がPC上でナントカならないかといったことに挑戦し、「IT時代の京大式カード作成方法」などという記事をBlog(旧業務日誌#35)に書いた。

このように脇道をずいぶんと歩いたが、結局のところ従来の基本的な京大式カードに戻ってきたのだった。ここにいたるまで、10年以上もの期間が経過していたことになり、ずいぶんと回り道をしたものだ。

では、そんなに「京大式カード」を使った思考というのはいい方法なのか? 「知的生産の技術」を再読していていくつか気が付いたことがある。

  1. 何でもかんでも京大式カードというのではなく、自分のテーマを決めてカードを作る。
    Blogなどで失敗した人たちの記事をみると、京大式カードが良いというので、あれもこれもとすべて京大式カードに記入している。整理もテーマも何もあったものではない。例えば「忍者の手裏剣」を調べたいのであれば、そのひとつのテーマに沿ったカードを作ることが重要なのだと思う。
  2. カードを繰り返して読んで、課題ごとの分類方法などをいろいろ考える。
    カードというか、いまの時代なら文書データはPCでも何でもいいので保存しておき、B6などのカードスタイルで印刷しておけば良いのだと思う。重要なのは、ひとつの項目ごとに記載して印刷したカードをすべて並べて、この分類はどうか、あの分類の方がスッキリするのではないかなどと考えながら分類方法を変えてみることや、一枚一枚のカードを繰り返し読んで考えるといった時間が必要なのだ。

こういう取り組みをやっていれば、間違いなく京大式カードの方法は生きてくる。この京大式カードがすごいのではなく、あるテーマにおいて、ひとつの事項ごとにカードにしたものを毎日読み返して考えるといった作業が必要なのではないか。

現代ならPCへB6やA5スタイルで入力し、印刷されたカードを持ち歩きいろいろと考えればよいということになる。こうして、再びいまのスタイルにあった京大式カードの思考・整理方法に行き着いたのだ。

1988年に出版され、自分の家ではホコリと一緒になっていた「ジェームス・W・ヤング『アイデアの作り方』」を再読していて、実のところ京大式カードの方法が使えるのではないかと思ったのだ。このような時代を象徴する本に書いてあることは、そのとおりに展開するのではあるが、時代に見合った機器やツールを使いこなして展開することが必要なのだと思う。

そんなことに、いまごろ気が付いたのだ……。