業務日誌#35

「しのご」が日々の業務で気が付いたことを、脈絡なく気ままに書き連ねています。

ローマ字の新たな展開方法があった

いまでも小学校ではローマ字を教えているのだろうか。現在では英語が主力となりローマ字なんかは教えていないのだろうし、梅棹忠雄の「知的生産の技術」にも「英文タイプライターを使ってローマ字の文章を書いたら、読みにくいと怒られた」なんて話がある。1960年代後半でもこのありさまだし、いまや小学校の子どもたちは英語で「Good morning」なのだろう。

ところが、2~3日ほど前ほどに驚いたことがある。Facebookで知り合ったロシア人からヘンチクリンなメッセージが届いたのだが、最初は何が書いてあるのか理解できなかった。でも、ひと呼吸おいた2~3秒後にローマ字で書いていることが分かったのである。

さっそく理由を聞いてみると、「日本語を勉強している。でもコンピュータのキーボードでは日本語が入力できない。だからローマ字で書いているのさ」という。彼の大学の授業でなら日本語表記・配列のキーボードを使っているのだろうが、自分のPCでは無理なのだろう。

いまでは忘れ去られたようなローマ字ではあるが、新たなローマ字の活用方法が思い浮かんだ。簡単なメッセージであれば、世界中の日本語学習者のためにFacebookなどでローマ字を使って書いてもいいのではないか。Facebookであれば込み入ったことを書くわけではないから、海外の人に読んでもらえるチャンスがある。

それに海外での日本語授業や学習においては、ローマ字で表記する場合もあるだろうから、学生もローマ字なら使っても見たくなる。自前の日本語キーボードがないのなら、ローマ字で書けばよいというわけだ。

特にFacebookであるなら、苦労せずともそこそこ趣味が合いそうな日本人を見つけられるだろうし、メッセージを2~3行ほど送るのもローマ字なら簡単だ。

そんなことを思いついたのだが、実のところ返信は簡単ではなかった。「watasiha」と書くところなら「watasi ha」などと分かち書きをしなければならず、簡単な文章を書くのにも面倒でかなりの時間を要した。またローマ字で長音などは、どのように打ち込めばいいのだろう。Wikipediaで調べてみたら、「マクロン」や「サーカムフレックス」について書いてあるが、そのような入力方法=キーボード操作はかえって面倒なような気がする……。

それに、小書きの「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」はどう表記するかなどなど、すでにローマ字など小学生時代の記憶しかないので、かえってさまざまな疑問がわいてくる。

海外の相手は、不自由な環境の中で日本語を勉強しているのだ。常に使うわけでもないので、こちらもとりあえず図書館からローマ字の学習本でも借りてきて表記方法などを復習しようではないか。ローマ字を覚えなおすのなら、分かち書きなどもあるので梅棹忠雄は「知的生産の技術」の中で「文章がうまくなる秘訣はローマ字で書いてみること」などといっているし……。

まさに決意表明だな。ローマ字の勉強をしたところで、趣味がひとつ増えるだけだろうし、そもそも年に何回ほどの出番があるのだろう。