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業務日誌#35

「しのご」が日々の業務で気が付いたことを、脈絡なく気ままに書き連ねています。

速歩術を目指して(ラマ僧から忍者、ナンバ歩き) その2

運動面

速歩術を練習していれば、効果のあるトレーニング方法を考えるのはあたり前。どのようなトレーニングをすればいいのか、いろいろ調べて、それを実践してみるより方法はない。ある程度の期間(正確にはどの程度の期間が必要なのかは不明)トレーニングを行ってみて、疑問が生じたら解決方法を探るしかないだろう。

特に速歩に優れ、「空飛ぶラマ僧」とも言われた昔のチベット僧の実際をみてみる。「チベット永遠の書」(徳間書店)という1930年代に書かれた資料で、著者のT.イリオンは1934~6年にチベットを探検し、その体験はラジオ局で放送されたばかりでなく、後のナチス政府のチベット調査団につながったようだ。さらにこの書は、スピルバーグの映画「インディー・ジョーンズ」でも伝承を参考にシナリオが練られたらしい。

オカルトっぽい部分もかなりあるが、トレーニングやラマ僧の実際はたぶん本当なのだろう。特にラマ僧の速歩関連の部分のみをみてみたい。

  • 一見するとラマ僧の腕と足は、振り子のように前後に揺れているおり、10メートルほどの距離で見た息切れひとつしていないのが確かめられたそうだ。さらにゴムマリのように地面の上を規則的な間隔をおいて弾んでゆくという。「時速30キロのスピードで息切れひとつしていない」らしいが、これが空飛ぶラマ僧といわれた原因となったのかもしれない。
    時速30キロで進むといわれてもなぁ、ロードレーサーに乗っていた者としては速度とそのチベット高原の標高などを考えると、オカルトと言われても仕方あるまい。
  • 著者のT・イリオンもチベットへ行く前にはトレーニングを行ったらしい。130キロの道のりを1日で歩くことを二度実施したとか、1日平均55キロを歩く、さらには650キロの道のりを荷物を背負って12日間で歩いたようだ。数値に少々疑問点はあるが、ともかくトレーニングは必須!
  • トレーニングの成果としては、標高4000メートルものチベット高原を時速7キロほどのスピードで1日平均55キロを歩くことができたという。普通のチベット人でも1日45キロ前後の距離を平気で歩き、なおかつ食事のための休憩をとらないこともあるようだ。
  • いまではマラソンのトレーニング本などでよくみられる呼吸法だが、何かを得ようという目的の下に呼吸訓練に励むと神経機能が低下するということで、イリオンはすすめていない。
  • 速歩での移動中の休憩だが、あまり休息はしないようだ。
  • 水分補給はどうか。唇をしめらせ、キャップ1杯の水を口に含んで1滴ずつゆっくりと飲むようで、250CCの水だけでかなり長い距離をもたせられるらしい。別にチベット探検に行くわけではないから、参考として覚えておけば良いだろう。
  • 主食は大麦があげられているものの、大麦だけで55キロもの道のりを何日も歩き続けることは、なかなかできないという。これも上記の水分補給と同様に参考として覚えておけばよい。
  • 当時のチベット人でも、チベット高原で50キロの距離を4日間続けて歩くのは厳しかったらしい。こうした歩行移動ができるのは当時のラマ僧だけだったということなのだろう。
  • イリオンは、「山賊と離れてから、すでに30キロ」歩いていたらしいが、それに続いて「標高4500メートルの山岳部でを十分な食料もなく、歩きづめの生活を開始して、今日で4週間目になる」と記録している。山賊がいたからその危険回避行動だが、冒険とは並みの体力ではこなせない。
  • 時速10キロのスピードで移動していると、まれにラマ僧と出会ったらしいが、このラマ僧はそれ以上の早足だったそうだ。ラマ僧が時速12キロでの歩行に達したとき、「わたしは走らなければ着いてゆけなくなった。彼がひとりになりたいのだと悟った」。

このような話を知り合いにしていると、トレーニングをしているので「20~30キロを歩くなら平気だ」と言っていた。でも平地ではなく、標高約3700メートルの富士山よりも高い標高4000メートルのチベット高原での話しだ。自分も富士山へは何回か登っているが、山頂の高度で30キロを歩くというより速歩というのはやりたくない。というかできない……。

速歩術を目指して(ラマ僧から忍者、ナンバ歩き) その1」で参考にした河口慧海のチベット探検記、そして今回のT・イリオンの「チベット永遠の書」を読む限り、ともかく長距離を歩くトレーニングしかない。ここでは、このように結論付けてもいいかと思うがどうだろう。